行って良かった所

草間彌生展 国立新美術館 8

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わたし大好き

それにしても、今なぜ、あんなに草間彌生さんの人気が高まっているのでしょうね?

流行のようなものも確かに感じますが、それだけではこうはならないと思います。なにかもっと、こちらの気持ちを揺さぶってくるものがあるのでしょう。

私が揺さぶられるのは、彼女の「わたし大好き」という姿勢です。この「わたし大好き」は、最近作られた草間彌生さんのドキュメント映画のサブタイトルでもありましたね。

日本の国土には、いまだに武家社会の名残のような空気を感じる・・・自分や自分の感情を抑えるのがオトナであると。その上、男女共同参画だの女性が活躍する社会だのとお上が言おうが、現実は男社会。この無言の、しかし厳然として在る日本の空気を「おかしい」「嫌だ」「生きづらい」と感じる女性や男性が、草間彌生という人間や作品に反応している様にも思えるのです。

「私って天才!」「私は私が大好き!」と、誰はばかることなく言う人間がいたら、今までの日本人なら「恥ずかしい」「何考えてるんだか」とあっさり切り捨てることでしょう。変な人だと思い、見て見ぬふりをすることでしょう。上記の映画のDVDは販売されているのですが、草間彌生はただの自己陶酔だと、辛辣に批判するレビューもありました。

でも、そろそろ私たちは、気づき始めています。特に女性は。楽しいことをするのに、「自分へのご褒美」なんて言い訳がましいことを言わなくてはならないなんて、何か変だって。もっと自分を認めてもいいんじゃない? もっと自分を大事にしてもいいんじゃない?って。「私ってすばらしい!」「私は私が大好き!」って言えるとは、なんて素敵なことだろう!って。

マダムは、人を癒やすセラピー系の仕事をしている人たちと、大変近い距離にいるので、今の疲労している日本人にとって「自分を大切にする」「自分を愛する」ということがいかに大切かを感じるのです。でも、実際には、自分の愛し方、大切にするやり方がわからない人が多いのです。

草間彌生という人は、そんな私たちの前に現れた、ほぼ完璧な見本、お手本のよう気がするのです。病気だろうが、なんと言われようが「私は天才!」「わたし大好き!」と言い放ち、そのままの姿勢で生きていく。八十歳を超えてなお、ますますその生き方を貫いている彼女を見ると、自分を愛するということに目覚めつつある私たちは、シビれてしまうんじゃないかしら、だからこんなに熱狂的に展覧会が盛り上がるのではないかしら、と。展覧会を振り返りながら、マダムはこんなことを考えたのでした。

まさかの8回連載になってしまいましたが、これで、草間彌生の展覧会についてのお話はおしまいにいたしますわね。

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