行って良かった所

草間彌生展 国立新美術館 4

投稿日:2017年3月30日 更新日:


入ってまもなく、私たちは大きな網模様のペインティングを見ます。草間彌生がニューヨークに渡ってすぐの頃に制作を始めた作品です。

一見規則的なようで、よく見るとそうではなく、繰り返される網模様だけだから無機的かと思うと、これまたそうではない。体温や生き物を感じるような、不思議な無限の網模様が、キャンバスいっぱいに描かれています。いつも見慣れた草間の網模様とは、かなり趣が違いました。なぜかわかりませんが、それをじっと見つめていると、妙に心が安まりました。

20世紀アメリカのポップアートは、なにかこう肌に突き刺さるような感じがして、マダムはあんまり好きになれないのです。が、草間のこれは、色がアイボリーだったり、押さえた赤だったりのせいかもしれませんが、大きくて柔らかいものに包み込まれるような感覚を持ちました。これ、好きかも・・・。これに包まれたら「自己消滅」しちゃいそうだわ・・・。

あと、集積のオブジェなどいろいろありましたが、次に私が大きく心打たれたのは、体調を崩して帰国してからの、一連のコラージュ作品でした。

ここには、お馴染みの反復模様はあまり出てこなかったと記憶しています。色調も暗く、大きさも小~中程度で、どちらかというと地味な作品群です。が、私は、震え上がるくらい美しいと感じました。全ての作品を見終えた時、どうしてももう一度これらの作品を見たくて、出口から出ずに、この部屋に戻ってきてしまったのです。それくらい、私の心には、美しく映りました。

暗い心の孤独が、昆虫や植物に託されて静かに滲み出るような感じ。この作品群自体が、鬱屈した精神を癒やすプロセスのように感じられました。静かに(しかし必死に)自己を癒やそうとする、命の営みのようなものをその中に見て、震えるほど美しいと感じたのかもしれません。

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